明昌飯店
いつものように身体が中華を欲しがりだしたあくる日。
欲しがりさんの身体を満たすため、街中へと繰り出した。今日はそうだ、知り合いに勧められた中華料理屋に行ってみよう。
中東通りと平和大通りの交わる場所近く。「ラーメン横丁七福人」の文字が目に入る。今日のお目当てはこの七福人が一角、弁天さん(らしい)の「明昌飯店」だ。
薄暗い廊下を奥へ奥へと進んでいく。ドン突(これは関西弁らしい)までいくとそのお店は果たしてあった。
お客は1人もおらず、店主の方はスマホをいじっていた。
それがどうした!美味けりゃいいんだよ!の精神で席に座り、麻婆丼を注文した。さすがに1人もいないだけあり、速攻で出てきた。
見た目はばっちり、味の方はどうか 。一口食べて出たのは「熱っ!?」
そう、半端ではない熱さなのだ。口内やけどは確実と思えるそれはしっかりと底焼きを行っている証拠であろう。
地獄のマグマの如き熱さであるが、それがまた美味しさを引き出しているのである。
また、このお店の麻婆豆腐は肉のうまみがしっかりと感じられる。
辛さについてはやや控えめだが、安定した肉感と強烈なHOTさで息もつかせぬ間に食べきってしまった。
山椒を自分の好みでドバドバと振りかけられれば更に自分好みの味になる予感がした。
やはり食に関する口コミは一度行って確かめるべきだと感じたお店であった。
噂に違わぬ良きマーボーであった。
ご馳走様でした!
BIG HORN STEAK
とある日。お昼にうどんを食べようと少し歩いて向かったお店が閉まっていた。
サラリーマンのお昼は短い。このままではマズいと焦りつつ、近場の地蔵通りへと向かった。ここには美味しい汁なし担々麺のお店があるのだが、出遅れたせいでそちらも既にいっぱい。
しばし途方に暮れて、さてどうしようかと思っているとすぐ側の立て札に「ランチ」の文字が!よくよく見るとすぐ横の階段を登ればお店があるだそうだ。これは行くしかない。
偶然に誘われやってきたのはその名も「BIG HORN STEAK」。名前の通りステーキが売りのお店のようだ。
開放的な店内に入り、促された席に着く。ランチメニューはいくつかあるようなので、デミグラスハンバーグのランチを頼んだ。
お味噌汁と漬物取り放題という事で、汁物をすすりながらしばし待つ。地蔵通りには本当に色々なお店があって来るたびに発見があるぞ。
さて、ハンバーグの到着だ。
もう既に美味しそうじゃないか。熱々ジュージューと音を立てて運ばれてきたハンバーグ。ナイフを入れると肉汁が滴る…ああ、ガッツリ。
デミグラスソースを纏ったハンバーグがご飯と合わない訳がないんだよなあ。一口目からノンストップでパクつき、一息に食べ切ってしまった。
肉感あるしっかりとしたハンバーグに味噌汁まで付いて850円ほど。満足感も非常に高い!
ハンバーグも良いが、ぜひ次はステーキランチにしようと思ったのであった。必ずまた来るぞ。
ご馳走様でした!
豚屋 とん一
仕事帰りのある日、買い物ついでに晩御飯を食べて帰ろうと思い、御幸橋近くのゆめタウン広島へと足を運んだ。
適当にフードコートで済ませるか、と思っていたのだが、なかなかお腹が空いており気分はかなりのガッツリモードだった。
フードコートでガッツリ…何にしようか。しばし悩みながら歩いてみると、トンカツやカツ丼を出すお店があった。その名も「豚屋とん一」。
ここなら間違いなくガッツリだろうと思い、注文の列に並んだ。
…しかし、この日はどうもトンカツの気分ではなかったので、代わりに鳥の唐揚げ定食を頼む。
「こちら、これから揚げますので少々お時間頂きますがよろしいですか?」と聞かれたが、揚げたてが出てくるならば全然よろしい、いくらでも待ちますとも。
言葉通り揚げあがるまで少し待ったが、無事アツアツのご飯が提供された。
!?
予想よりも唐揚げが大きい。それに乗ってる量も多い。これでもかという数の暴力やないかー、と思いながらもまずは一つ食べてみる。
カリッサクッ。ジュワッ。
揚げたてで軽やかな片栗粉の衣を纏っており、噛んだ時の食感が嬉しい。肉汁もたっぷり溢れてきて美味しく、キャベツもドンと盛ってくれているのでくどさも感じず食べ進んでいける。
重量級の打線だが、ドンドン箸が進んでしっかりと食べ切ってしまった。
マヨネーズが味の散歩道で出てくるが、付け塩も少量あればなおバラエティに富んだご飯となりそうだった。
フードコートと侮るなかれ。ガッツリ欲を満たしてくれるお店はたくさんあるのだと感じてゆめタウンを後にしたのだった。
ご馳走様でした!
響(お好み焼き)
ちょっとした用事で岡山方面へ車走らせた帰り。いつも西条ICで降りて下道で広島市に帰るのだが、その時に時折訪れるお店がある。
日本三大酒どころとして有名(らしい)酒都西条だが、縁があり以前住んでいたので懐かしい気持ちになる。
本筋からは逸れるが毎年10月に開催される酒祭りは全国各地のお酒が真っ昼間から飲み放題(入場券を買えば)なのでお酒好きは一度は訪れたい。
さて今回訪れたのは東広島市の下見にあるお好み焼き屋「響」。広島大学の程近く、1本入った道にある。
見た目通りこじんまりとした店内だが、いくつかテーブル席があるのと鉄板前のカウンター席がある。
こちらのメニューは近くの地名を冠していたりと、なかなか面白い。
しかし、最もよく頼むのは店名そのもののメニュー名である「響」だ。そばまたはうどん玉にチーズインしたド安定な美味しさだ。無料のキャベツ大盛りサービスももちろん頼む。
このお店はしっとり優しく焼くため、提供にやや時間がかかるのだが、しっとり派としてはむしろ願ったりなのである。
しばし待ってから、響が届いた。
このこんもり感…素晴らしい。富士山よろしく悠々とした佇まいではないか。
見た目100点、では味はどうか。
もちろん100点だ。しっとりとして甘みの出たキャベツに豚バラとチーズがコンビネーションを組んでくる。量はガッツリしてても優しい味付けなのも相まってあっさり系として成り立っているのだ。
ドンドン食べ進んでも飽きの来ない味わい。間違いなく食べた人を満足させてくれる味と量だ。
正直な所、自分の好みの中では一番美味しいお好み焼き屋だと思っている。値段もこの大きさで響が830円と言う事なしだ。
酒蔵観光ついでに西条へ訪れた際にはぜひ寄って欲しいお店なのであった。
ご馳走様でした!
極楽亭
宇品の電停沿いの道から一本入った所に中華料理屋らしきお店があるのを以前発見して、ずっと気になっていたのでこの度行ってみた。
宇品五丁目の電停から東に抜ける道へと進むとすぐの所にある。その名も極楽亭。良い名前ではないか。
お店に入ると常連さんらしき団体客が1組とソロがちらほら。素直にカウンターに座る。
メニューを確認し、炒飯セットにしようか悩んだが、今回は麻婆丼を頼んでみることにしよう。麻婆はお店ごとに味付けや方針が違って面白い。辛さを選べるとのことで、辛めをオーダーした。
待ち時間をお店に置いてあるスラムダンクを読んで待っていると、意外と早く提供された。ご対面である。
色はそこまで赤くなく、オーソドックスな雰囲気。味の方は…美味い!
辛さはそこまでではないが、挽肉の塊がゴロゴロと入っていて噛みしめる事でジュワッと肉汁が溢れてくる。ただ辛いだけの麻婆と比べてご飯に乗せる事で真価を発揮するタイプだ。
熱々なのに次から次へと口に放り込んでしまう。家庭的な肉ゴロゴロ感を楽しんで、瞬く間に食べ終わってしまった。これで600円は素晴らしいと言える。
町の中華料理屋はこのワクワク感が素晴らしい。また訪れたいと思えるお店だった。
ご馳走様でした!
きたぎ
広島市内に笠岡ラーメンのお店が出来たという話を聞いて、さっそく訪れてみる事にした。
以前仕事の関係で笠岡や井原をよく訪れていた際によくお世話になったのが笠岡ラーメンだ。
店名の「きたぎ」も、北木島の事を思い出させてくれて懐かしい。島にも度々行ったのだが、今では千鳥の大吾の出身地というのが一番通りが良いだろう。
さてお店に入ってみると、綺麗に清掃された明るい雰囲気の店内だ。事前情報で得ていた、笠岡ラーメンの「さかもと」で修行していたという話だったが、そのさかもとは昔ながらの小汚い雰囲気だったので、時代に合わせてきたなという印象だ。
メニューは笠岡ラーメンとおにぎり、そしてカレーラーメンとのこと。ひとまず王道の笠岡ラーメンを頼む。食券を買い、店員に渡して座席に着く。
お店に置いてあったタウン情報誌をパラパラとめくっていると、早速ラーメンが運ばれてきた。
文句なしに笠岡ラーメンである。鶏ガラ醤油のスープにネギとメンマ、そして鳥チャーシューが乗っているのが大きな特徴だろう。
これは養鶏が盛んな笠岡で文字通り骨の髄まで鳥を使い込んだために生まれたラーメンだ。ありがたく頂こう。
しっかりとした鶏ガラのコクを感じるスープ。細めの麺がツルツルと心地良いペースでお腹に収まっていく。ネギのシャキッとしたアクセントも素晴らしい!
何よりも良いのは鳥チャーシューだ。笠岡ラーメン以外ではお目にかかった事がないが、親鳥だろうか、肉質が詰まった鳥を醤油ベースでしっかり煮込んであり、噛みしめる程に鳥の旨味が感じられるのだ。
こんなに美味しいのに他では使われないよな…とは思うが、豚骨スープに入れても調和するイメージがないのも事実。鳥づくしのラーメンでないとここまでの一体感は生まれないのだろう。あらためて、笠岡ラーメンの完成度の高さを感じる。
広島では豚骨醤油がラーメンの基本となっているが、ぜひとも一度は食べて頂き、味比べを楽しんで貰いたいものだ。
間違いなくオススメ出来る味だった。
ご馳走様でした!
【番外編】さぬき麺市場【香川】
現在は広島在住だが、生まれは四国のため、今でも時々帰省をしている。
そんな時に欠かさず食べに行くのが讃岐うどんだ。よく香川にうどんを食べに行った人が言うのが「言う程安くも美味くもなかった!」という言葉だが、何処に行ったのか聞くと大抵は高松駅前のうどん屋という。
それは頂けない。うどんは地域に根ざしたお店ほど美味いのだ。美味いうどんが食べたければ自ら足を運んで僻地に行くのが最善と断言出来る。
…のだが、しかし今回は時間がなく辿り着きやすいお店となった。前置きが長くなったが、今回のお店は「さぬき麺市場」。高松市に何店舗かあるうどん屋だ。
国道11号沿いのお店に行ったが、14時前だというのになかなかに混んでいた。このお店はかき揚げのデカさがウリなのだが、この日は生温い気温だったのでざるうどんで涼やかさを重視する。
揚げ物のとり天を付けてしめて430円。白飛びしているうどんに少し寄ってみよう。
店内でうどんを切って提供しているためか、麺の断面が角が立っており美しい。一口啜ってみよう。
ズルルっと一気にすすると強烈な弾力で歯を押し返してくるようだ。讃岐うどんはやはりコシが強いほど気持ち良く食べられる。気温の高さもあってか、ざるで冷んやりとしたうどんを啜るのが最高に美味しい。
揚げたてのとり天も熱々で噛みしめれば肉汁が溢れてくる。冷(ひや)と熱(あつ)のコラボレーションに身体が喜び、瞬く間にズルっズルっと食べきってしまった。
肩肘張らずに行ける普段使いに最適なうどん屋であった。いつかまた遠征するべきうどん屋についても書きたいと思う。
ご馳走様でした!