電光石火
広島っぽい食べ物、といえば何だろうか?
この質問に対して恐らくは圧倒的な確率で返ってくる答えはこれだろう。
お好み焼き。
そう、広島は何故だか知らぬがお好み焼き王国であり、広島風お好み焼き(広島焼き、というと高確率で広島民の機嫌を損ねる)はソウルフードと言うべき存在感を放っている。
前置きが長くなったが、今回訪れたのはお好み焼き店。その名も電光石火!なかなかイカしたネーミングである。
広島のお好み焼き界では歴史は短い方である(と聞いた気がする)が、食べてみるべし、という知人の強い言葉で訪問した。
平和大通りにほど近い、宝町辺り?だったか、フジグランの中にあるとの情報だ。
車を止め、エスカレーターで2階に向かうとすぐにお店とご対面。お店は綺麗で小洒落た雰囲気を漂わせている。
焼酎のボトルキープが大量に置かれているのを横目に、席に案内されメニューを拝見する。
メニュー名を見ても変わったものが多い。「キングオブルーキー」やら「人にやさしく」やら、キャッチーな名前を付ける社訓なのだろうか…。
しばし悩み、頼んだのは「たっぷりチーズ」。チーズをトッピングして美味くない訳がないという自論を振りかざしお好み焼きが運ばれてくるのを待つ。
数分後、やってきたお好み焼きは形状もキャッチーであった。
まん丸。そう、まさしくまん丸なのだ。
これ程ドーム状のお好み焼きは広島県内でもなかなかお目にかかれないのではないか。
恐る恐るヘラを差し込んでいくと、ふんわり蒸されたキャベツがこれでもかと入っていた。
一口。…美味い。キャベツの甘さがしっかり引き出されており、優しい味という表現がぴったりだ。チーズもしっかりと入っていながらクドくない。
完全な好みの話になるが、お好み焼きを焼く時にキャベツの美味しさを引き出すお店は良店であると思っている。ヘラで親の仇のようにキャベツを鉄板に押し付け、カッスカスのキャベツにするお店は論外だろう。
手間と時間をかける事で生まれる美味しさを電光石火のお好み焼きからは感じる事が出来た。
夢中で食べたため断面の写真を撮り忘れたが、それだけ美味しかったのだ。
それなりに量はあるものの、キャベツがしっかり入っている事もありペロリと食べられた。どちらかといえばあっさり系に分類されても良いだろう。
優等生ぞろいのお好み焼き店の中でも存在感のあるお店。確かにこれは食べてみるべし、であった。
ご馳走様でした!